設備屋に必要な資格とは?未経験者から目指せるステップと将来性を解説

設備屋の仕事は、実は資格がなくても始められる職種のひとつです。現場で先輩の指示を受けながら、道具の使い方や作業手順を覚えていけば、未経験からでも十分にスタートできます。ただし、そこで留まってしまうと、任される仕事はどうしても限定的になります。逆に言えば、資格を持っている人には、現場の中でより高度な作業や責任ある役割が回ってくる。つまり、同じ年数を働いていても、持っている資格の有無で成長スピードや評価に差がつきやすいのです。


また、建設業界では「誰が工事を担当したのか」が安全や品質に直結するため、一定の作業には有資格者の配置が法律で義務づけられています。たとえば、給水装置の工事やガス配管、冷媒ガスの取り扱いなど、資格なしでは手を出せない工程も多くあります。資格は単なる“肩書き”ではなく、現場で信頼を得るための「パスポート」のような役割を果たすもの。だからこそ、将来を見据えるなら、資格取得は避けて通れない選択肢になります。




未経験者が最初に取得すべき3つの基本資格

これから設備屋を目指す方にとって、最初のステップとなるのが「入門資格」の取得です。中でも比較的ハードルが低く、現場でも重宝される資格としては、「ガス溶接技能講習」「アーク溶接特別教育」「給水装置工事主任技術者(受験資格あり)」の3つが挙げられます。


まず、「ガス溶接」や「アーク溶接」は、金属配管の加工や接合で必要になる基礎的な技能講習で、数日間の座学と実技で取得できます。どちらも法律上の義務があるわけではありませんが、持っていると現場での作業範囲が広がり、戦力として早く評価されやすくなります。


一方、「給水装置工事主任技術者」は国家資格で、指定された実務経験がないと受験できませんが、将来的に独立や管理者を目指すなら視野に入れておきたい資格です。合格すれば、水道事業者に工事申請を行う権限が得られ、現場責任者としても活躍の幅が広がります。


資格は、持っていればすぐに給料が上がるというものではありませんが、「信頼できる人材」として見られるきっかけになります。未経験から始める場合でも、まずはこれらの基礎資格を意識することで、早い段階で一歩抜け出すことができるでしょう。




配管技能士、管工事施工管理技士…キャリアアップを支える資格群

設備屋としてある程度の経験を積んだ後、次のステップとして目指されるのが「中級〜上級資格」です。中でも代表的なのが、「配管技能士」と「管工事施工管理技士」です。どちらも国家資格であり、現場での信頼性や給与面に直結する重要な資格とされています。


「配管技能士」は、厚生労働省が認定する技能検定で、1級〜3級まであり、実務経験に応じて受験できます。筆記と実技の両方があるため、日頃の作業をきちんと理解し、手を動かしている人ほど有利です。合格すれば、「確かな技術がある職人」として周囲からの評価も変わってくるでしょう。


一方、「管工事施工管理技士」は、施工管理のプロフェッショナルとしての国家資格です。現場を指揮したり、図面・工程・安全・品質まで広く管理する立場になるため、より責任のある仕事を任されるようになります。2級からスタートでき、実務経験を経て1級へとステップアップ可能です。


これらの資格を持つことで、将来的に現場の責任者や管理職としての道が開けるだけでなく、元請け企業とのやり取りや書類対応など、設備屋としての幅が格段に広がります。技術を磨くことも大切ですが、それを証明する資格を持つことで、自分のキャリアをしっかりと積み上げていけるのです。




「学ぶことを応援してくれる会社」の見極め方とは

資格を取得するには、自分の努力だけでなく、職場の理解や支援も欠かせません。実際、仕事をしながらの勉強は想像以上にハードです。だからこそ、「学ぶ姿勢を応援してくれる職場かどうか」が、長く成長していく上で大きな分かれ道になります。


たとえば、受験費用の補助や講習日の調整、有給取得のサポートなど、会社として制度を整えているところは、社員の成長を長期的に見ている証です。また、過去の合格実績や先輩の声を紹介している企業であれば、実際に育成の成果が出ていると判断できます。中には、先輩が自主的に勉強を教えてくれたり、試験直前に実技練習の時間を設けてくれるような風土を持つ会社もあります。


一方で、「うちにはそういう文化はない」「資格を取っても意味がない」といった姿勢が見える会社では、途中でモチベーションを失ってしまうこともあります。成長を支えてくれるかどうかは、求人票では分かりにくい部分ですが、面接や見学の際に「先輩たちはどうやって資格を取ってきたか」「資格を取った人がどう評価されているか」を尋ねてみると、会社の本音が見えてきます。


技術職としてステップアップしていくには、制度と人の両面で支えてくれる会社を選ぶことが、結果として自分の未来を支えることにつながります。




資格は武器。でも活かせるかどうかは“現場次第”

資格を取ったからといって、すぐに一人前になれるわけではありません。重要なのは、その資格を「どこで」「どう使うか」です。現場によっては、せっかく取得した資格が活かせないままになってしまうこともあります。一方で、日々の仕事の中で資格の知識を実践に落とし込み、経験と結びつけて成長していける環境にいる人は、着実に力をつけていきます。


たとえば、配管技能士を取得しても、現場で実際にその作業を任されなければ技術は磨けません。逆に、たとえ無資格でも、毎日の作業で先輩から技術を吸収していれば、試験を受けるときにも実力が伴います。つまり、現場で学べる環境と、実践を任せてもらえる信頼関係があってこそ、資格は本当の意味で“生きた技術”になります。


また、資格の勉強を通して「なぜこの作業が必要なのか」「どんな基準で判断されているのか」といった理解が深まり、仕事の見え方そのものが変わってくることもあります。現場で経験を重ねながら、座学で理論を補い、それをまた現場で試す。この循環を回せる人が、資格と実力の両方を備えた技術者になっていきます。


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一歩ずつステップを踏みながら、プロフェッショナルを目指そう

設備屋として働く中で、資格は「道を広げる鍵」として機能します。ただし、それは一夜にして得られるものではなく、日々の仕事や学びの積み重ねの先にある成果です。目の前の作業を丁寧にこなしながら、「次に何を学ぶか」「どの資格を目指すか」を少しずつ考えていくことが、着実なキャリア形成につながっていきます。


また、資格取得そのものがゴールではなく、「それを活かしてどんな現場で、どんな役割を担うか」という視点を持つことで、自分にとっての働く意味がより深まります。どんな技術も、どんな知識も、それを活かせる環境がなければ育ちません。だからこそ、「成長を支えてくれる現場」との出会いが、プロフェッショナルとしての未来を支えてくれるのです。


もし今、資格のことが少しでも気になっているなら、その気持ちを大切にして、まずは自分にできる一歩を踏み出してみてください。

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